第三回 東京デジタルフォローアップ官民連携連絡会議事録

令和4年5月27日(水)15:00~16:30
(オンライン開催)

1.次第

(1)東京都事業説明
 ①令和3年度の取組実績
 ②令和4年度事業の方針
 ③TOKYO スマホサポーター(仮称)

(2)連絡会会員活動 紹介

2.議事内容

〇事務局(デジタルサービス局戦略部戦略課)
 定刻となりましたので、開会させていただきます。
 本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから、第3回 東京デジタルフォローアップ官民連携連絡会を開催いたします。本連絡会は、民間企業や非営利活動団体、財団法人等の皆様に、会員としてご参加いただいております。また、前回連絡会からアドバイザーとしてご就任いただきました、早稲田大学 岩﨑尚子教授にも、ご出席していただいております。なお、本日は都内自治体やその他関係者の方々にも、傍聴していただいております。
 次に、本日の議事次第は表示スライドのとおりです。ご確認ください。
 それでは、開会に当たり、本連絡会の会長を務めます、東京都 デジタルサービス局 戦略部長の深井からご挨拶させていただきます。よろしくお願いします。

〇深井戦略部長
 東京都デジタルサービス局戦略部長の深井でございます。本日はお忙しい中、岩﨑先生をはじめ、多くの会員の皆様方に、本連絡会にご出席いただいていること、改めて感謝申し上げます。開会に当たりまして一言ご挨拶申しあげます。
 新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、行政手続はもとより、日常生活の幅広い分野でデジタル化が加速度的に進展する中、東京都では、デジタル技術を使える人とそうでない人との間に生じる格差、いわゆる、デジタルデバイドの是正を重要な政策と位置付け、様々な取組を進めております。事業の推進に当たりましては、本連絡会をハブとした民間の皆様との連携、さらには、区市町村の皆様などのご協力の下、試行錯誤を重ねながら進めているところでございます。
 去る2月に開催いたしました第2回の本連絡会では、都のこれまでの取組の結果に基づき、令和4年度事業、今年度事業の方向性について共有させていただきました。また、先進事例として韓国ソウル特別市の取組も紹介いただきました。
 また、今回の連絡会の開催に先立ちまして、会員の皆様には、アンケートやヒアリングにより、様々な角度からご所見を伺わせていただいたところでございます。皆様のご協力に対しまして、改めてこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。
 本日の連絡会では、この間に皆様方からいただいた意見等を踏まえて検討いたしました今年度事業の構想を共有し、会員の皆様からご意見を頂戴したいと思います。皆様の知見や経験を基に、事業をさらにブラッシュアップできればと考えているところです。
 また、今回から会員として参画いただきます「特定非営利活動法人自立化支援ネットワーク」様、そして、前回連絡会後のアンケートで示唆に富む意見を頂きました「東京スマホ研究会」様から、今後の取組の参考といたしまして、団体活動の紹介をしていただきます。よろしくお願いいたします。
 以上、簡単ではございますが、開会の挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

〇事務局
 深井部長、ありがとうございました。それでは、次第に沿って進めさせていただきます。まず、「(1)東京都事業説明」として、デジタルサービス局戦略部戦略課長の久賀谷から、ご説明差し上げます。

〇久賀谷課長
 デジタルサービス局戦略部戦略課長の久賀谷と申します。この4月に戦略課長に着任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。それでは資料に沿いまして東京都の事業につきましてご説明させていただければと思います。
 まずデジタルデバイド対策として実施した令和3年度の取組実績となります。高齢者向けスマートフォン利用普及啓発事業につきましては、区市町村や町会・自治会と連携しながらスマホの体験会あるいは相談会を実施しているものでございます。都が委託によりまして講師の派遣などを行いまして、区市町村や町会・自治会に確保いただきました公民館等でスマホ教室あるいは相談会を開催しているものでございまして、令和3年度は資料記載のような規模で実施いたしました。参加者の方々からは実施回数の拡大や身近な場所での相談相手を求めるような多くの声をいただいているところです。行政手続きに係る都民等のデジタルデバイド是正につきましては、都内の区市町村からデジタルデバイド是正に向けた取組を募りまして都と区市町村が連携してモデル事業を実施するというものでございまして、障害者のアクセシビリティの改善やデジタルを使ったコミュニティの形成など地域主体の取組を支援するものでございます。支援の成果をマニュアル化してガイドラインとして区市町村と共有することで継続的な取組に向けた機運が向上したものというように認識しているものでございます。こうした成果や課題を踏まえまして令和4年度は両と質の両面から取組を充実させまして、デジタルデバイドの是正に繋げてまいりたいと考えているところです。
 続きまして、令和4年度の事業の方針です。デジタルデバイドに対応するためということで先ほど申し上げたスマホ体験会や相談会などは引き続き実施していきます。今月、5月から各地で体験会や相談会を開始したところです。身近な人が身近な場所で助け合うデジタル社会の実現に向けて、コミュニティ事例の創出につきましてはデジタルデバイド是正事業を継続して実施してまいりますし、地域で教える人材の育成に向けてということで新たにTOKYOスマホサポーター事業を実施する予定でございます。
 ここから今申し上げました今年度新規事業としておりますTOKYOスマホサポーターにつきまして、現時点での検討状況などをご説明させていただければと思います。前回の本連絡会では概要のところをお示ししたところでございますけれども、事業の設計を進めるにあたって現時点での考えを整理させていただきました。制度の目的と概要、サポーターが教える内容、利用者の到達目標スキルなど、サポーターとなる対象者、活動の場所、育成から登録のプロセスといった観点で整理をさせていただいているものでございます。 最初に目的と概要というところですけれども、目的としてはサポーターを育成して地域主体のスマホ利用支援活動を後押しする、身近な地域で持続可能な支援を行う仕組みとして元気な高齢者の方や学生の方など多様な人材がサポーターとして参画できるように制度を設定していきたいと考えております。それから要件等は現在国などでもデジタルデバイド対策事業が進められておりますので、こうした事業と足並みをそろえて構築・運用をしていきたいと考えているところです。東京都の方でスマホサポーターに育成登録させていただいて、その方が区市町村など地域の活動場所に行っていただいてスマホ教室や相談会などでスマホ利用普及の取組の活動をしていただくことを想定しているものでございます。
 続きまして、高齢者等の当面の目標スキルということで、前回の連絡会でも示した資料を更新させていただいたもので、連絡会の会員の方々のご意見なども踏まえまして青字部分を追加させていただいたものでございます。分類として情報取得やコミュニケーション、申請決済という分類のスキルがあり、その中でインターネットの検索や動画ラジオの視聴ができるようにすることや天候・災害の通知を取得できること、コミュニケーションであればアカウントの登録やチャットの利用、WEB会議の参加・開催ができること、申請・決済に向けては予約の申請手続きができることや、キャッシュレス決済ができること、そういったことに加えまして、共通するものとしては端末の操作、文字入力やコピーペースト、電話の受発信やメール・SMSの受信、安全安心に使えるようにということでウイルス対策やネットマナー、個人情報保護・詐欺対策といったところもしっかりとできるというところが当面の目標スキルになるのではないかと考えているところでございます。
 参考といたしまして前回会員の皆様方からご意見をいただいたところでございます。その主なものですけれども、先ほど申し上げました資料に反映させていただいたように、不安を払拭するための知識を身につけることで前向きな利用につながるのではないか、災害発生時の情報取得はユーザーニーズが多いといったご意見を踏まえまして当面の目標スキルの資料に加えさせていただいたものでございます。
 続きましてスマホサポーターの対象者ということで、ご協力いただく対象者につきましては以下のような想定をしているところでございまして、連絡会の会員の皆様方と区市町村の皆様方とも連携しながら担い手としての協力を依頼することを想定していきたいと思っております。属性といたしましては地域の元気な高齢者の方々、それから学生の方々、類似の公益活動をされているような団体の方々、その他活動意欲のあるボランティアの方といったところでございまして、高齢者の方であれば同世代と同じ目線でサポートができると考えており、学生の方であればデジタルネイティブ世代として、あるいは世代間での知識の交換としてサポートできるのではないか、公益活動団体の方であれば既に支援活動の経験が豊富でありますので要点を抑えることができるのではないか、あるいはそれぞれのその他ボランティア意欲のある方々につきましては、各々の経験とデバイド是正に向けた意欲を活かしてサポートができるのではないかと考えているものでございます。
 次に活動場所等としましては、高齢者に身近な地域の拠点で少人数のきめ細かな支援を行なっていきたいと考えており、また、サポーターになっていただいたとしても活動の場というのが当然必要だろうと考えておりますので、その活動の場とをつなげる仕組みを作るとともに制度周知やサポート活動に用いるようなテキストの情報提供をさせていただいて、サポーターの取組を支援してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、育成プロセスとしては先ほどお示しした目標スキルなどを踏まえまして、サポーターに求められる技能を設定して育成登録までのプロセスを構築していきたいと考えておりますけれども、国の関連事業での資格等とも連携し柔軟な制度設計を検討していければと考えております。既に十分な実績をお持ちなのかといったスキルチェックを行いまして、講習・演習もいろいろやり方はあるかとは思いますけれども、スキルだけではなく会員の皆様からいただいているようなサポート活動に必要なコミュニケーションスキルを身につけていただくような工夫をしていければと考えているところでございます。そういった講習・演習をしまして、テストなどで確認もし、スマホサポーターになっていただく流れになるのではないかと考えているところでございます。
 こちらは参考までに国のデジタルデバイド事業との比較をしたものでございまして、TOKYOスマホサポーターという都としてこれから構築していくものと、総務省のデジタル活用支援員といった既存の制度があり、またデジタル庁でもデジタル推進委員という制度を今後設けていくと聞いているところでございまして、先ほど申し上げたとおり、連携できるところは連携していければと考えているところでございます。
 以上雑駁ではございますけれども東京都の事業の説明となります。特にTOKYOスマホサポーターにつきましてはまだ制度の枠組みを検討させていただいているところでございますけれども、サポーターとなる人材にご協力いただくためにどのような動機付けあるいはインセンティブを設けるべきかといったご意見をいただきたいというのと、サポーターの要件の柔軟さあるいは厳格さなど、どのような基準が望ましいのかといったご意見も頂戴できればありがたいと思っています。それからサポーターに対する活動の後押しとしてどのような支援がなされるのが望ましいのかといったご意見もいただければと思いますので、こういった事項あるいはそれ以外でも構いませんので忌憚のないご意見をいただければと思っております。東京都の事業の説明といたしましては以上となります。よろしくお願いいたします。

〇事務局
 それでは、これから質疑応答及び意見交換に移ります。スライドに表示の3点につきまして、ご意見のある会員様は挙手ボタンをお願いいたします。スライド表示以外のご質問については、後ほどまとめて回答させていただきますので、この場でのご発言ではなく、slidoのリンクからお寄せください。

〇事務局
 いかがでしょうか。こちら3点に関しまして何かご意見があればお寄せいただければ幸いです。

〇京セラ 熊野様
 京セラの熊野と申します。よろしくお願いします。発表も取組の内容というところで今回の資料の説明もいただき、重複するところもありますが、弊社として3件に関して考えてきたことについてご報告させていたればと思います。
 1つ目ですが、サポーターとなる人材にご協力いただくための動機付けやインセンティブというところで、先ほど国の資格等と連携すればというところもあったと思いますが、それも良いかなと思いつつも、より簡単なレベルでというところで、サポーターとして認められたらバッジや免許のような東京都が公式として認めたよという程度のものでもまずは動機付けとかになるのかなと思いまして、そのような個人のスキルを証明するようなものがあればいいかなというのが一つです。あとは、サポーターから行政への要望です。こういう活動をやってきてもう少しこんなことをやってほしいなというところ、行政の要望を可視化して自分たちの声が高齢者のデジタルデバイド解消に役立っているということが認識できるような取組があれば良いかなと思いました。インセンティブについて、基本ボランティアでもいいですが、各地域プラザや各自治体で移動等にかかる費用やサポーターの人もスマホを個人で多く持ってないと思いますので、スマートフォンなどの機材を貸し出しができるような形にして、よりサポートがしやすいような形で環境準備してあげるのがいいかなというふうに思いました。以上が1番目の質問に対する弊社からのコメントになります。
 続いて2番目のサポーターの要件の柔軟さや厳格さなど、どのような基準が望ましいかというところなのですが、弊社もスマホ教室をやっておりまして、質問する高齢者の方はスマホの使い方だけではなく端末の料金やサービス、個人情報を含む、たとえばクレジットカード番号を入力してQR コード決済も設定してほしいというようなことも言われることもあるので、サポーターの方がやっていいことと悪いこと、できることとできないことは、個人情報にも絡むところは後から事件になっても困りますので、あらかじめ線引きしておいてあげる必要があるのかなと思っています。また、実際サポーターの方がスマホの使い方を教えるときに高齢者の方のスマホを全く触れずに説明するのは非常に時間がかかるというのを私たちも経験しておりますので、あらかじめ相談が来た時に相談者の高齢者の方に対して代理で端末操作してよいかという事を確認できるようなプログラムにしておく必要があるかなと思いました。
 3番目のサポーターに対する活動の後押しとしてどのような支援等がなされることが望ましいかというところですが、サポーターの方も知識のアップデートは必要かと思うので、定期的に勉強会などを実施し、サポーターの基準レベルを統一、もしくは底上げできることが必要かと思っています。また、実際サポーターの方がわからないことがあったときにはそれを質問できる場、指示を仰げるコールセンターのようなものも準備してあげれば、サポーターの人も教える側として安心できるのかなと思います。
 弊社からの意見としては以上になります。

〇久賀谷課長
 京セラ様からの貴重なご意見賜りましてありがとうございます。バッジや免許を行政の方で制定し認めること自体がインセンティブになるというのは我々だけでは気づきにくい部分ではあるので大変貴重なご意見と思っております。お金だけではない意味だと思っております。あるいは、可視化の話もありましたが、アンケート等手段はいろいろあるかとは思っておりますけれども、活動の実績といったご意見も取り入れられれば確かにサポーターの皆さんの活動がよりやりやすくなるのではないかと思いまして拝聴していたところでございます。ありがとうございます。

〇事務局
 続きまして、東京しごと財団 橘川様、ご意見お願いいたします。

〇東京しごと財団 橘川様
 よろしくお願いします。 実際にスマホ教室講座を運用していまして、免許証でも国の資格でもないけれど格付けとなる箔をつけるから講師にならないか、というような動機付けが必要だというのが現場の声として挙がっていました。今総務省のデジタル活動支援員を展開していますけれども、免許証の類ではないですがワッペンとビブスが提供されています。
 「サポーターがボランティアという性格だと、しごと財団の仕事としては難しい」というのが現場の声として多いので、いずれは資格を東京都から箔をつけて頂戴して、実際の企業様との連携の中で体験会や教室を展開するというようなストーリーにならないかという形で試行錯誤しながらこのようなご意見を言っています。
 もう一つ、総務省の資格認定らしいものと、東京都のサポーターの制度はどう違うか、一緒ならないかということも現場では出ているのでその辺が気になるところでございます。 以上です。

〇久賀谷課長
 東京しごと財団様ありがとうございます。確かにワッペンやビブスといった、資格とまではいかなくてもそういう箔がつけば、やりがいにもつながるのではないかというようなご意見かと受け止めましたので、そういったところも含めて貴重なご意見だと思っております。また国の話もありましたけれども、我々としても国の制度と一緒にというのは中々どこまでというのはありますけれども、必要な連携はしっかりしていければと考えているところでございます。ありがとうございます。

〇事務局
 それではここで岩﨑先生、関連してご意見がございましたらご発言をお願いいたします。

〇岩﨑教授(早稲田大学 岩﨑尚子教授)
 ご説明ありがとうございました。私も2人のご意見に全く同意します。以前も報告させていただいたように、これまで早稲田大学のある新宿区でスマホ教室などを何度も開催してまいりました。スマホを持たない高齢者へのスマホの貸出から始まって、マニュアルづくりやシニア活動館等に御協力を頂き、教室の開催・運営、受講者数の拡大のため何をしたらいいのか、利活用レベルをどこまで向上させたらいいのか、ICTリテラシーとは何か、と色々なことに長年苦労してまいりました。したがって、これまでのスマホ教室の事業を、だいたい5000人を対象に実施してこられたというのは大変評価できると思います。高齢者のスマホの利活用率(Usability)、接触率(Accessibility)、価格(Affordability)といったような、「三原則」と我々は呼んでいますけれども、ユーザーのニーズに基づいて今ある課題を解消していくためには、先ほどもご指摘があったように、スマホ教室等の取組に対する社会調査の実施が非常に有意義だと思っています。もしすでにこうした社会調査の結果があればご教示いただきたいと思います。もしまだであれば、時間軸でみた高齢者のスマホスキルの習得状況や、あるいはサポーターに求められるスキル、課題等をアンケート調査し、評価して今後のサポート体制の充実や、また、スマホのアプリ開発の面で、調査結果を活かしていただきたいと思っています。以上です。

〇久賀谷課長
 岩﨑先生、ありがとうございます。先生からもいろいろご意見いただいたところでございますけれども、確かに我々のほうで昨年度実施させていただいたスマホ教室、あるいは相談会でどういったところを高齢者の方が困ってらっしゃるか、スマホを使っていくにあたって難しいところがあるかといったご意見は貴重なデータ、生の声だと思っており、我々のほうでもスマホ教室、相談会実施にあたってはアンケートを取らせていただいているところでございます。その結果はまだ完全にまとまりきっているとは言い切れませんが、データをしっかり今後のスマホサポーターを始めとしたデバイド対策の制度構築に活かしていかなければいけないと考えているところでございます。ありがとうございます。

〇事務局
 ありがとうございました。続いて、slidoのほうに寄せられた質問にお答えさせていただきたいと思います。

〇事務局
 まず1点目、「インセンティブというのは東京都からサポーターに提供されるものでしょうか。」という質問が寄せられております。こちらはいかがでしょうか。

〇久賀谷課長
 インセンティブはいろいろあるとは思っていますが、我々のほうもサポーターになっていただく動機付けといったことがなければ、なかなか人も集まらないと思っております。今会員の皆様方から頂いたように、金銭的なものでなくても活動の実績や箔といった何かしらの有形無形のものがあればインセンティブにもつながるのではないかというようなご意見かと受け止めましたので、そういったご視点は、なるほどそうなのか、というように我々としても少し目からうろこといったところもありますので、そういったことを踏まえて、いろいろどういったものが良いかというのを考えていければと思っております。

〇事務局
 続いて関連して、「東京都のバッジはとても良いと思います。」ということで、ありがとうございます。 続いてもう一点ご質問ということで、「サポーターはボランティアで考えているのでしょうか。スマホ教室を事業として展開している事業者がある中、有償のほうが現実的かなと思います。例えばそのレベルによって標準報酬単価を定めるなどあればと感じています。」。この辺りいかがでしょうか。

〇久賀谷課長
 ありがとうございます。サポーターがどういう形になるかという制度設計はこれからで、まだ枠組みしか提示できていないところではございますけれども、ボランティアなのか有償なのかというところも含めてこれからの検討なのかなと考えているところでございます。ただ、実際に活動していただくにあたって、そこに完全に持ち出しでというのがいいのか、それでは集まらないのではないかということは現場の実態を踏まえて考えていくことが大事だと思っております。レベルによって変えるというような話も腑に落ちましたので、ご意見を踏まえて、都としても考えていきたいと思っているところでございます。

〇事務局
 slidoのほうに寄せられている質問につきましては以上となります。最後に、スマホサポーターの今後につきまして久賀谷より少し補足をさせていただければと思います。

〇久賀谷課長
 スマホサポーターにつきましては、いろいろと貴重なご意見をいただきましてありがとうございます。いただいたご意見も踏まえまして詳細の検討をしていきたいと思っておりますけれども、事業実施にあたりましては会員皆様のご協力もいただきながら、例えばモデル的に事業を行うなど柔軟な対応も検討していきたいと考えているところでございます。この後また個別に会員の皆様にご協力などをお願いすることもあると思っておりますので、その際はぜひご協力の程よろしくお願い致します。

〇事務局
 ありがとうございました。続きまして、本日の次第「(2)連絡会会員活動紹介」に移らせていただきます。 これまで、本連絡会では、デジタルデバイド是正の検討に当たりまして、海外都市等の先進事例を共有してまいりました。
 今回は、東京都の取組を具体化し、会員の皆様と協働して進めていくため、連絡会会員団体のこれまでの活動や知見を共有してまいりたいと考えております。
 今回は、第3回連絡会から新たに参画いただきました 特定非営利活動法人自立化支援ネットワーク様と、第2回連絡会後のアンケートで示唆に富む意見をいただきました、東京スマホ研究会様の2団体から、活動の紹介をしていただきます。
 まず、自立化支援ネットワーク様からよろしくお願いいたします。

〇長谷川様(自立化支援ネットワーク 長谷川久之様)
 (資料のみの公開とさせていただきます。)

〇事務局
 長谷川様、ありがとうございました。 続きまして、東京スマホ研究会から、山根様、よろしくお願いいたします。

〇山根様(東京スマホ研究会 山根明様) (資料のみの公開とさせていただきます。)

〇事務局
 山根様、ありがとうございました。それではここで岩﨑先生、発表いただいた自立化支援ネットワーク様、東京スマホ研究会様の取組に関しまして、ご意見などございましたらご発言をお願いいたします。

〇岩﨑教授
 ご説明どうもありがとうございました。長谷川様、山根様のお二人の非常に素晴らしいご講演を伺いまして、私も大変勉強になりました。やはり現場の声を伺うのが一番大事なことですし、多くの示唆があるということを実感した次第でございます。お二方とも非常に楽しみながらも様々な面でご苦労されてきたということを実感しており、私もスマートフォン教室で同じ悩みを経験してまいりました。シニアの皆さんのこれまでの傾向を見ていますと、非常に健康でアクティブ(活動的)、さらにデジタルに関心を持たれているシニアの方が増えていると実感しております。一方、スマホに消極的な方、あるいは健康面で問題を抱えている方がおられることも事実で、積極的なデジタル参加ができない高齢者がいることも事実であります。現在政府が進めている「誰も取り残されない社会」を実現するためには、こうした後者のデジタル参画できない高齢者をどうデジタル社会に取り込んでいくのかということがとても大事だと思います。 また今私が懸念しておりますのは、今回このコロナ禍で2年ほど巣ごもり状態、あるいは自宅にいることに慣れてしまったシニアの方々が多いと思っております。そういった方々を今後どうコミュニティの中に取り込んでいくかという視点も新しい課題かと考えております。
 これまで高齢者の方々がスマホ、特に新しいツールなどが出た場合に情報をアップデートしたり、習得したりするために必要な人材やコスト、あるいは運営までのご苦労を考えますと、スマホが得意な若い世代の人たちや、普段よく使っているグループと、なぜデジタル弱者が同じスマホを使わなければならないのか。“らくらくスマホ”もありましたが、最終的には人々が煩わしさを感じることがないスマホ、あるいは本当に簡単な利便性の高いアプリケーションがあれば、我々も含めて非常に簡単にいろいろなことを経験できたり楽しんだりすることができると思います。今日はいろいろなキャリアの方々も参加されていますし、こうした場を通して皆さんが意識の共有や、現場の声などを吸い上げて、いかに簡単なツールやアプリの開発などを同時に進めていくことが大事なのではないかと感じました。
 2019年に私は台湾のオードリー・タン大臣と講演会でご一緒させていただいたことがあります。タン大臣はコロナ禍でマスクの在庫状況を見える化するなどして、一躍時の人になられた方です。大臣が講演会で指摘されておられたのは、技術が寄り添えるデジタル社会が大事だという点でした。もちろん技術を習得するという積極的な姿勢も大事ですが、その人々の意識と合わせてテクノロジーがどのように人に寄り添えるかもとても大事な姿勢だと思っています。改善や開発には高齢者の方々のユーザーとしての意見が重要です。今後も長谷川様や山根様のこれまでの活動をぜひ継続していただいて、皆さんでより良い、使いやすく楽しい、新しいデジタル社会が生み出せるような仕組みやコミュニティができれば、というふうに実感いたしました。今日はどうもありがとうございました。

〇事務局
 岩﨑先生、ありがとうございました。皆様、発表いただきました2団体に、今一度拍手ボタンをお願いいたします。 また、本日ご発表いただいた各団体の取組についてご質問がある場合は、slidoからお寄せいただきますようお願いいたします。後日、各団体からお答えいただける範囲でご回答いただき、東京都からメール等で共有させていただきます。

〇事務局
 最後に、今後の連絡会の開催予定をご案内させていただきます。
 次回、第4回の連絡会は、8~9月頃に、TOKYOスマホサポーター事業に関するご意見を踏まえ、より具体化した制度案に関するご説明を中心に開催を予定しております。また、10月2日・3日のデジタルの日の連携に関する検討も、この場で取り扱う予定です。
 連絡会以外でも随時、会員の皆様へのアンケート等を実施させていただく予定ですので引続きご協力の程お願い申し上げます。 本日予定しておりました議事については、以上になります。全体を通しまして、何かご質問などありますでしょうか。もしございましたら、挙手ボタンをお願いいたします。

〇事務局
 ご質問は特にございませんようですので、本日は閉会とさせていただきます。本日出席いただいた皆様におかれましては、お忙しい中ご参加いただきましたことを改めてお礼申し上げます。
 ありがとうございました。(終)

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